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BLOG お花のお便り

パリからの花だより ~Yuko Santiago さま~ No.13

みなさん、こんにちは。

 

ここ最近のパリはちょっと暖かい日々が続いたなと思えば、雨がたくさん降って、
昨日よりまた寒さがましてきました。

朝8時でもまだ薄暗い、いよいよヨーロッパの冬シーズンが始まったという感じです。

 

 

フランスの結婚式もいよいよオフシーズンに入って来ますが、まだまだ10月もパーティがありました。

 

 

 

こちら先日の結婚式の写真です。

ダリア、ローズドジャルダンももうほぼ終わり。ギリギリ入荷が間に合ってほっとしました。
これからはアネモネやラナンキュラスなどの季節が始まります。

 

ウエディングの仕事に関して、今ほぼ一人で打ち合わせ、買い付け、制作、
セッティングまで行っています。

もちろん規模によってその都度チームを組むこともあります。

 

振り返ってみると、こうやって一人で一通りできるようになるまで、とても時間がかかっているなと。
ウエディングの仕事、お客様の晴れ舞台で失敗は許されません。
フランスの場合、当日予定と違うことや想定外のことがたくさんあるので、そういう緊急な場合こそ、
今までの経験が本当に役に立つな、と思うことが多々あるのです。

 

花を仕事にして、今年で16年目。それでも、まだまだ学ぶことが多くあると思っています。

 

 

 

先日、たまにお手伝いをしている11区のお花屋さんで、1年前にお花の学校に行きつつ、
実際に店舗で見習いを終了したばっかりの新人の20代のフランス人の女の子から、
優子は何年経験を積んだ時点で自分は自立したフローリストだと思った?と聞かれました。

おっ、そんなこと考えても見なかった!私は答えました。それは自分自身で決めるんだよと。
彼女は確かに新人さんですが、割とセンスもよく、店のことも一通りできています。
だから、きっと先のステップアップのことを考えての質問だったのだと思いますが、
1年ぐらいじゃ、まだやったうちにはいらないよ!3年は同じフローリストで頑張りなよと
小姑のように返事をして終わりました。

 

彼女のブーケはそれなり、なんとなく、はきれいにできてるんですね。
でもブーケのなかの花の向きだったり、葉物の入れ具合だったり、
細かなところは見る人が見れは、まだまだ改善の余地があるのです。

本人が、自分の作ったものに、自分が納得して出せて入れはもうそれで、いいだろうし、
いやいや、もっと精進しなきゃと思えば、もっと自分の技術を磨く気持ちを持って毎日を
過ごすと思うんですね。

 

今はSNSの影響で、例えばパリオペラ座のトップのバレリーナが
今の新人のダンサーがSNSの写真とすぐ同じことができると思ってしまう。
と嘆いてるという記事を目にしました。
これと同じことがフローリストでも言えるのではと私は思います。

 

今はやっているアレンジメントの写真と同じものはそれなりにはできると思います。誰でも。

でももっと深いところで、花のそのもの性質だったり、
商品として出す場合のアレンジメントに向いているか、
花束に向いているか、空間のデコレーションの演出の仕方から、
ウエディングブーケまで、学ぶことは付きないはず、
極めるにはそれなりの時間もかかるんです。

 

こちらの写真は、私のアトリエにプライベートレッスンにお越しいただいた日本のフローリストのかた。

お花をすでに仕事にしていても、パリのエスプリを学ぶため、お越し頂いています。

 

 

もしかして、古い!って言われてしまいそうだなと思われつつも、基礎を学校でしっかり学んで、
現場で実践の経験積むことはとっても重要なことだと、今の日々の仕事を通じて実感する日々です。

お花の世界、もちろんセンスありきですが、実践ありきです。

 

 

このコラムを読んでくださってる方のなかで、これからフラワーアレンジを学ばれたいから、
基礎を学ぶって、ちょっと堅苦しいような気もしますが、
基礎がないと、なんちゃってブーケになってしまう可能性大です。

ご自身がどういう方向を目指したいかによると思いますが、答えがすぐ出ない方こそ、
学ぶ段階をあまりすっ飛ばさずに基本を大事にしていただきたいな、と思う日々です。

 

 

それでは、また次回

 

 

2019年10月23日更新

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