パリからの花だより　～長谷川 奈美 さま～ No.35

こんにちは。
パリ在住のフラワーデコレーター、トレジョリの長谷川奈美です。
遅くなりましたが、本年もどうぞ宜しくお願い致します。

日本にいらっしゃる皆様も大変な事かと思います。
今年は少しでもコロナ感染による緊張が解けます様に。

健康第一で、楽しい事がいっぱいのお年になります様に願っております。

今現在のフランス・パリは、法律上、未だレストランを再開出来ず、
外出も 18 時までとなっております。
もちろん、イベントも出来ないまま、何人かの大勢の人数が集まる事も
禁止されております。

と、なりますので、現在はレッスンメインです！

現在は、日本からの花留学生は来れない状態ですが、
こちらに在住されている方々が、日本へ帰国された時の事を考えられ、
今、じっくりとお花を学びに、私の所へいらして来て下さっております。
生徒さんからは、何気に、ゆっくりじっくりと学べるので楽しいそうです。

1 月はブーケ月間です。笑
この時期のお花、そして、ブーケにし難いお花のブーケをスタイリッシュに
作って頂きました。

こちらはチューリップ、ナルシス、ビバーナムそしてスミレも入り、
春らしい可愛らしいブーケが出来上がりました。

そして、こちらは、中級者ですので、更に扱い難いチューリップとローズ、
ビバーナム、そしてスミレでブーケ。

そして、こちらは可愛らしいブケ・ド・マリエを作って頂きました。

アトリエから一歩外を出ますと、コロナ感染で緊張感が有る雰囲気ですが、
そんな事は全く感じさせない様な、素敵な作品が出来上がりました。

そして、現在のランジス花市場の様子です。

ランジスも、通常のこの時期に比べますと、少し閑散としていますが、
それでも顔馴染みのお花屋さんや季節の可愛いお花達を見ますと、
ホっとしとっても和みます。

チューリップにミモザ、ポピー、アネモネ、ナルシス、クリスマスローズなど、
とっても明るいお花でいっぱいです。

今の時期は特にミモザでいっぱいです。

そして、一部の仲卸しさんのみですが、なんと！芍薬が出荷されてました。

去年から出荷されております、色を吸わせているトルコキキョウ。

こちらの 2 色は扱いやすいでしょうか。笑

おまけとして、現在鉢物は柑橘レモンの木が多く出荷されてます。
こちらを見ただけで、何だかビタミンＣを吸収した気分になります。笑

そして、今回ご紹介させて頂きたいお花「スミレ」です。

ランジスではこの様に、小さなブーケ状にして売られております。

なぜ？この時期なの？と思いませんか？

実は、昔々、私達の父母若しくは祖父祖母の時代は、ヴァレンタインには
愛する人にスミレのブーケをプレゼントしていたそうなのです。

ヴァレンタインと云えば、赤バラと思ってましたが、先日ランジスにて
働いているフランス人から教えて頂き、その後調べました。

こちらは、20 世紀初頭～1960 年代ぐらいの写真で、パリの大通りなどで、
溢れる程のスミレを台車に積んで売っている様子です。

写真がセピア色なので分り辛いですが、
右が売り子さん達で、左の大きな帽子を被られているマダムが手に「スミレ」の
ブーケを持ってにっこりしてますね。

もちろん、今ではこの様子は見る事は出来ませんし、大抵の花屋さんには、
「スミレ」は売っていません。
少々寂しいですよね。。。

なので、
今回のレッスンは、どのブーケレッスンにも「スミレ」を入れさせて頂きました。笑

皆様にも元気が出ます様に。

ではまた！

Merci et à très bientôt!

Très joli
長谷川奈美

2021年1月26日更新